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医科大学主体の新しい病院ネットワーク

関連病院や教育病院の運営は、どこの医学部も悩みの種ですが、

医科大学が医療法人を設立して、大学の学長がその法人の理事長を兼務するというのは世界に例をみない新しい形です。

従来の日本の大学病院の組織形態では、附属病院を精々3つか4つしか持てず、管理面で行き届かずに、3つ目以降になると経営不振から病院を閉鎖・売却せざるを得ないケースも少なくありませんでした。

  

(N大学練馬光が丘病院などの閉鎖に伴う大混乱は、記憶に新しいところです)

  

  

一方、欧米では大学が直接経営する大学病院はなく、大学病院と名前がついていても、経営主体は民間の株式会社が担う形です。このため、大学の意向が病院側と必ずしも一致するとは限らず、

例えば、ハーバード大学でも、医学部の人事を直接握っているのは、大学ではなく病院側だったりします。

  

  

日本でも、麻生副総理の「麻生セメント」や、警備会社の「セコム」などの株式会社が実質的に運営する病院が増えつつあり、

『麻生飯塚病院』などは、ベッド数1000を超える大学病院レベルの高度な医療を提供していますから、いずれ我が国の大学病院も、株式会社に経営を委託する形になると、専門家は誰もがそう考えてきました。

  

医療経営の世界は慢性的な人材不足に悩まされています。

それだけに、大学が医療機関の経営を束ねる法人を設立して直接運営するなどというのは、医療経営に携わる我々には、衝撃的な驚きです。

藤田保健衛生大学には、医療経営を教える専門学校がありますが、人財資源が充実しているから成し得る新しい試みだと思われます。

  

  

  

大学が「学校法人」とは別に、医療機関の経営専門の法人(医療法人など)を新設することによって、

大学側は教育病院や、卒業生の派遣先を、一挙に数十箇所も増やすことが出来るというメリットがあります。

また、病院側には医療機関としての格を揚げて、常勤スタッフに「臨床教授」などの称号を与えるメリットを享受します。

藤田保健衛生大学は、医学部だけではなく医療保健学部・短大・専門学校など、たくさんの医療職を養成する医療系総合大学なので、医師だけでなく、看護師・放射線技師・リハビリテーション技師・臨床検査技師など、各学科卒の医療職の就職・教育ポストを安定的に確保することにも繋がります。

学術面でも、同じ医療法人傘下の22もの医療機関が参加する形で、大規模臨床研究も可能になります。

  

地域連携同士を更に拡大させて、臓器移植ネットワークなども大規模に進めることが出来るなど、大学間や法人間(経営主体間)の壁によって阻まれてきた医療改革も、大幅に進歩する可能性が期待されます。

  

  

新法人理事長の星長教授(学長)のご専門は泌尿器科で、ロボット手術(ダヴィンチ)による腎・尿路腫瘍手術の第一人者として知られています。

研修医の医学教育でも有名な方ですから、新しい病院群も、若い人材の交流で活気づくことでしょう。

  

  

新しい医科大学主体の病院ネットワークに、大いに期待したいと思います。

  

  

  

【出典】

地域医療連携へ新法人認定

藤田保健衛生大学設立の新法人に22医療機関が参加 - SankeiBiz(サンケイビズ)

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170405/mca1704050500004-n1.htm