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三島江や霜もまだひぬ蘆の葉につのぐむほどの春風ぞ吹く 左衛門督通光

三島江や霜もまだひぬ蘆の葉につのぐむほどの春風ぞ吹く

 左衛門督通光

 詩をつくらせて歌に合せ侍りしに、水郷春望といふことを

 新古今和歌集 巻第一 春歌上 25

「三島江よ。夜の間に置いた霜もまだ乾かない枯蘆の葉の上に、どうやら芽立ちをうながす程に春風が吹いている。」『新日本古典文学大系 11』p.26

元久二年(1205)六月、元久詩歌合。

本歌「三島江につのぐみわたる蘆の根のひとよのほどに春めきにけり」(曾禰好忠 後拾遺 春上)。

水郷春望(すいきょうのしゅんぼう) 水辺の里の春の眺めの意。

三島江 摂津国の歌枕。現在の大阪府高槻市の淀川沿岸。蘆・薦(こも)の名所。江は浦が陸地に入り込んだ所で、芥川の川口付近。

つのぐむ 角を出す意。蘆・薦・荻などが新芽を出すこと。

本歌と比較する時、細部の具象化に努める新古今集の特色がよく分かる。

「水郷春望」の歌。

源通光(みなもとのみちてる 1187-1248)鎌倉時代前期の公卿・歌人。内大臣源通親三男。通具の異母弟。「千五百番歌合」(建仁元年(1201))参加歌人中最年少。

新古今集初出、入集十四首。勅撰入集四十九首。

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