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日常297。

 僕は文脈が読めない。

 ……などと書くと、「それ何てラノベ?」感満点だが、実際そのことで、我ながら情けないと思うことが多い。

 ある人に対して、誰かが何かを話すとする。その何かを、仮に「主旨」と呼ぼう。「主旨」は、それだけでは伝わらない、あるいは、それだけ伝えても味も素っ気もないので、話し手は、分かり易い「具体例」や軽妙な「文体」を駆使して、聞き手に「主旨」を届けようと腐心する。一方で、聞き手は、虚心坦懐にそれを受け止め、「文体」の心地よさに身を任せながら、「具体例」の導きのままに、「主旨」へと到達する。これが、コミュニケーションの、あるべきあり方だ。

 それなのに、僕には、「具体例」に興味を刺激されると、それに拘泥してしまうという悪癖がある。その滑稽さは、まるで階段の踊り場で本当にダンスをしているようなものなのだが、赤い靴を履いてしまった僕は、疲れて動けなくなるまで、狂ったステップを止められない。当然「主旨」に辿り着けるはずもなく、「君って、面白い人だね」と話し手をうんざりさせるばかり。

 読解が恣意的なんだよな、根本的に。学生時代から、いや、ひょっとしたら物心ついたころから、もうずっと。

 昨日は飲み会だった。二次会では、酔いに任せて、大先輩と後輩と新人の前で、でかい声で毒を吐いてしまった。これまた何とも情けない。

 今日は午後から仕事。洗濯と簡単な掃除くらいしてから出掛けよう。